::: プロデューサー日記 :::
山下 治城
山下 治城
Haruki Yamashita
チーフ・プロデューサー

■出身地
鳥取県 倉吉市

■趣味
舞台を見る。映画(ドキュメンタリーからアニメーションまで)。読書。

■座右の銘
大局観とディテイル

■尊敬する人
宮崎駿

■好きな食べ物
カレー・ラーメン・寿司・蕎麦

■プレイスポット
劇場&映画館

■チャームポイント
ものを見る、まなざし。

■一番大切なものは?
自分に正直であること。

■休日何してる?
舞台鑑賞・映画鑑賞・料理

■好きなCMは?その理由は?
サントリーローヤル「ランボー」篇 学生時代に見た、このCMがきっかけで、僕はこの業界に入った。

■どんなPrになりたい?
矜持をもった人間として生きていきたい。

【代表作品】
◎エステー化学:消臭力
◎三井住友海上火災:企業
◎総務省:参議院選挙
◎レダ:プチシルマ シリーズ




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2008/06/24 - 08:08

「IMC TOKYO2008」(@幕張メッセ) 長文! 仕事の周辺



先々週、Interop Media Convergence と名付けられた
展示会が行われた。
放送・映像・ネット・モバイル・web・・・。
のメディアコンテンツビジネスの新時代を支える専門イベントである。
もともと、Interopというイベントがあり今年で15年目になるらしい。
これはインターネットを利用したビジネスを展開していくための展示会である。
様々な会社がブースを出している。
ここで、この日、初めて聞くようなことがたくさんあった。
興味深い展示会だった。

まずは、村井純(慶応大学教授)の基調講演を聴いた。
「地球とインターネット」と題した講演は刺激に満ちていた。
「インターネット」のことと言えば村井純というイメージがあるように
さすがにこの世界に詳しく、語っていることは
遠くの未来を見据えた概念まで示している。
45分間の講演ではとっても収まりきれないような
情報量の講演内容であった。
情報量が多いものを聞いていると
密度が高いので聞き飽きない。

まずは、いま現在のデジタルコンテンツや
インターネットの世界がインフラを含めてどうなっているのかを概観される。
ワンセグチューナーやアクトビラ、そして今回初めて聞いたものが
「デジタルサイネージ」という言葉だった。
高密度ディスプレイを屋外に設置して、様々なコンテンツをそこで流す。
もちろん、場所や時間、また、そこに集まると予想される人によって
コンテンツを変えていくことが出来る。
ホストサーバーでそれを管理して、
まるでテレビ番組を流すように、駅張りのポスターを時間に応じて
張り替えるように制御することが出来るようになる。
実際、大江戸線を初め、いくつかの場所で少しずつ
「デジタルサイネージ」の実験的なことが行われている。
そこにはデータ転送の技術なども
重要な問題として絡んでくる。
フォトニックネトワークの進化と村井教授は言う。
言うなれば、「光ファイバー」のネットワークが
至る所に張り巡らされるということ。
例えて言うと、光ファイバーのじゅうたんが敷かれているというような感覚である。
実際に港区では、「光のじゅうたん」がほぼ実現出来つつある
というようなお話を聞いた。
実際、今、広告業界でも「OOH」メディアというものが増えている。
これは「out of home」という意味であるが、
屋外に出て何かのメディアに接触すること
これが現在ではTV、新聞の広告費に次ぐ売り上げである。
「OOH」のひとつのスタイルとして
「デジタルサイネージ」というのは大変重要なものの
一つになるのではないかと思われた。
光ケーブルとワイヤレスの高速転送技術を駆使して構築される、
「デジタルサイネージ」の大きなネットワークはまるで
新しいメディアを持つことになるように、思われる。
そしてそのデータのネットワークは個人識別も出来るようになり、
外にいても反応したり接触することにより
インターネットの個人PC経由或いは個人ケータイからアクセスするのと
同じ状況が作れてしまう。
そして、Aさんというのはどんな人で、
今、どこに居るのかということが瞬時にデータとして認識できる
環境が整いつつあり、そのためのデバイスが日々増えて来ている。

「位置・空間・時間」を認識した「個人」に強烈にフォーカスした
コミュニケーションがますます増えてくることが予想される。

また、村井教授のお話で興味深かったのが、
時差が6時間以内の国の人々とは
リアルタイムで仕事が出来る環境を作れるだろうということ。
そのためには、アジアやロシアへ結ぶ大きなデータ伝送の
ケーブルのインフラ整備が必要であるという。
現在では太平洋と大西洋は大きなケーブルが設置されており問題ないのだが、
これからの地球の未来を考えると、
ハバロフスク経由でシベリア鉄道を行くように敷設されるラインと、
シンガポール、インド経由で中東までを敷設される
ラインの整備について求めていらした。

今後、米国や欧州だけに向いていてばかりいられないという
村井教授のお話は説得力があった。


杉山恒太郎さんの基調講演では、
最近の若いものはPCさへ持たない人が増えて来ているという
調査データを発表されていた。
そのためには、モバイルコンテンツに特化した方策を
真剣に考えないといけないとおっしゃっていた。
10代から20代前半の若者たちは
ケータイの両手打ちをする人が増えているらしい。
まさにパソコンの感覚である。

続いて「次世代広告プラットフォーム:デジタルサイネージの将来展望」
というカンファレンスを聴く。
モデレーターは慶応大学教授の中村伊知哉。
スピーカーはNTT副社長の宇治さんと
電通メディアコンテンツ本部の杉本さん。

来年からこのイベントに「デジタルサイネージ」部門が加わる事が決定されたらしい。

これに関しては村井さんのところで
大まかなことは書いたので重複するところは省くが、
面白かったのは現在、若者を中心とした人々の
外出時間が伸びているという調査結果が明らかになったことである。
生活者は明らかに外に居る事が多くなり、
そのためのメディアである
「デジタルサイネージ」は今後ますます注目されてくることになるだろう。
ここでは倫理的な問題と景観的な問題を
どうクリアしていくかが問われてくるだろう。
そうしないと、渋谷や池袋の繁華街のような
いつもどこかのモニターから大きな音が流れ
それらが騒音として溢れかえる。
そんなことにならないような素敵なメディアと
そこでの気持ちのいいコンテンツが本当に求められてくることになるだろう。

杉本さんはそのためにはコンタクトポイントマネジメントが重要であると語っていた。
このマネジメントという概念に強い倫理観が求められる。

また、慶応大学湘南藤沢キャンパスの研究所所長、
國領二郎の話はもっと根源的な原理について語られていた。
WEB2.0の進化の先にはユビキタスとセンサーの進化により、
ネットのあちら側とリアル社会のこちら側が
今以上にリンクしていく筈である。
これを國領先生は「ユビキタスにカスタマイズされたマーケティング」と呼んでいる。
GPSがさらに進化すれば、携帯電話を持っていれば
Aさんはどこのビルの何階のどの会議室の
どこの椅子に座っているのかがわかるようになってくるだろう。
そこから、誰がいつどこにいるのかが特定できることによって
「つながり」がもたらす価値が生まれてくると言う。
例えば今居る場所に届けるサービスである。
花見の場所にピザが届けられることの
さらに進化したものだと思うといいのかも知れない。
そして國領先生はそうやって生まれてくる価値を
「創発のプラットフォーム」という言葉で語る。
多分、異分野や異業種がつながって新たな価値を生み出すということなのかな?
そのためには制約と冗長性が必要であると語る。
國領先生はかなり難しい言葉で概念的な事を語られるので
ついていくのが精一杯だった。
聴いていて思ったのだが、要は、あるルールを統一して、
その環境の中から自由に物事を進めていくことが重要であるということ。
リナックスというOSの基本ルールのもとに
優秀なヴォランティアSEたちが自由に改良を加えていくことが
この一つの説明の例示になるだろうか?
そして誰もが自由に使えるようになった環境から、
集まった多くの人に興味を持ってもらったものに対して
小額を課金していくシステムが利益を生んでいくと先生は語る。
梅田望夫いうところのロングテールの思想である。
國領先生はそのことを「創発的な価値の内部化」と語る。
うーん。なかなか理解できない。
また現在の広告費は6兆円であるが
販促費は約12兆円くらいと推定される。
その価値をこのインターネットデジタル社会で
別の用途に使われるようになるかもしれないとおっしゃっていた。
(ダイレクトマーケティングの隆盛は、
まさにそのことを示している一つの例ではないでしょうか?)
また、グーグルなどが始めている
アプリケーションの無料サービスについて言及される。
タダ同然のアプリケーションが増えることによって、
それを利用する企業が増えていけば、
確実に現在、企業で設備投資の一環としての
アプリケーション費用やその他の費用が
別の価値に置き換わるに違いないと語っていらした。
楽観的過ぎるかもしれないが、
その楽観性の中に可能性の芽は潜んでいると言えるのかもしれない。
ユニクロの柳井社長の語る、
「一勝九敗」の思想と似ている。

経済産業省の情報政策局長、岡田秀一さんの語る、
グリーンITの取り組みのお話も興味深かった。
IT化に伴う電力などの使用量の増加に対して、
環境問題に配慮しながらどのように
グリーンITを進めていくのかという取り組みの現状などについて語ってくれた。
グーグルはデータセンターを米国の水力発電所のすぐ傍に作って稼動させている。
そのことによって自然エネルギーを再利用し、
発電所の近くということで送電ロスをも減らせるということだそうである。
有機ELやLEDのさらなる発展によって
電力使用量は劇的に低下していくことが出来るだろう!
無限のものなんて何もない。
無限だと信じられる唯一のものが人間の知恵である。
その知恵を駆使してグリーンITを乗り切ってみたいものである。


投稿者 山下 治城 | この記事のURL | コメント()